「・・・っ」
痛みをこらえるかのように、私は唇を噛み締めた。
・・・赤堀はああいう人達が好きなのかな・・・?
可愛くて、おしゃれで。
とても・・・素直で。
私の真逆のような人達が。
そして――。
私達は先輩たちの真横を通り過ぎた。
聞きたくない会話を出来るだけ聞かないようにして。
でも・・・赤堀の声だけは、耳に入ってきてしまうんだ。
「・・・っ・・・」
いつもだったら
「バカ宮間」
なんて笑いながら、からかってくるのに。
すれ違っても、何も言わない赤堀が・・・とても・・・遠く、感じた。
・・・私自身に、気付かなかったのか。
それとも・・・気付いたけれど、何も言わなかったのか。
・・・どっちも嫌だ。

