自分の使命はあくまでも姫の護衛である。
意思をあまり持たない。
それが昔から決めている。
椿を守らなくてはならない。
そのためにも強くなりたい。
しばらく嘉野丞は右手を握る。
その思いを胸に秘めて城へと戻っていた。
「これは面白いことになりそうだな。
嘉野丞娘を頼むぞ」
毎日時間さえあれば刀を稽古している。
それくらい姫の護衛は過酷な仕事である。