城まではかなり道も不安定だがそんな中彼は何も不安な顔一つせず手をひいていて男らしい彼に憧れを抱いていて椿は嬉しかった。
今まで普通に接していてくれる相手などいなかったので嘉野丞は、今までこびてくる人達とは違っていて誰よりも純粋で教養がある。
「椿姫様私は三男ですから跡取りになどなれませんから母や父は、女にだらしない兄と和歌を詠むのが好きな兄ですが私は私のやり方があります。
幼い頃より礼儀や教養など人としてできるスキルはこなしてきていて兄たちよりも末っ子は相手にされない分たくさんのことを知れます」
『嘉野丞は優しくてかっこいいのに初対面の私にも普通に接してくれるしあなたは打算的な性格ではないからとても安心しているわ。
周りに来るのは下心丸見えの連中ばかりで私はそんなふうにされるよりあなたのように普通に友達のように接してくれる方がいいもの』
「私は、家ではいないもの同然ですし兄たちはもう元服を済ませていますし私は剣術や弓道くらいしか取り柄がありませんから仕方ないんです」
しかし彼は剣術や弓道などは兄たちをとうに越していてもうすでに人一倍実力を持っていることをまだ嘉野丞は知らないのであった。