子犬のお姫様

桜「…暖かい。ふわふわのお布団。家?いつの間に寝てたんだろ。…ん?私は確か昨日公園のベンチでー…えぇ!!ここどこ?!えっ、どうしよう。」
 
 桜は慌てた。
 それもそのはず。
 昨日は公園のベンチで寝てしまったはずなのに、目覚めれば知らない部屋の大きなベットで眠っていたからだ。

桜「何このベット。ふわふわだし…3人くらい眠れるんじゃ…って、それどころじゃない!まさか人身売買?嘘!じゃあ早く逃げなきゃ。」

男「人身売買だなんて人聞きの悪い。君があんなところで眠っていたから、風邪をひいてしまうと思って家に連れてきただけだよ。」

 突然男の声がして驚く。
 部屋の入口を見れば、美味しそうなトーストとコーンスープの乗ったお盆を持ち、こちらを優しく見つめる男性がいた。
 空腹の桜は、お盆の上の物に釘付けだ。

男「お腹、空いてるんでしょ?とりあえずベットの上じゃなんだから、こっちにおいで。」

 男は優しく言うと、部屋の扉を開けたまま廊下の奥へと消えていった。
 桜は不審に思ったが、あの男に悪意があるとも思えず、お礼も言わないといけないので、男の後を追って廊下を進んだ。