桜「こ…こんなことって…ありますかっ!?」
  天気の良い5月の中旬。
  私、緑川桜(みどりかわさくら)高校1年生は、両親の夜逃げ、ならぬ昼逃げにあい、とう とう家も家族もなくなりました~…。
桜「まさか私が学校に行ってる間に逃げるなんて。ギャンブル好きの夫婦にも本当に困ったも のだわ。」
  所持金・2000円
  一体私に、これからどう生活していけって言う訳!?
  こんな家庭に生まれれば、娘も多少神経の図太い女にもなります。えぇ、そうです。
  でも、まさかこんな状況に陥るなんて、誰が予想したものですか!
桜「とりあえず、明日が土曜日で助かったわ。住み込みのバイトでも探して…。うーん。そん な簡単に見つからないだろううしな…。」
  今日も一日学校生活を終えた桜は、はっきり言ってもう疲労困憊だ。
  早く風呂にはいってベットで寝たいが、残念ながら夢のまた夢。
  桜はふらりと近所の公園に立ち寄ると、樹の下に置いてあったベンチに腰掛ける。
  5月のわりにはその日は暖かく、桜は疲労もあってか眠りの世界へと落ちていった。
男「…?捨て犬?いや、人が寝てる。」