「ってかさ、まだ水波祭終わってないよ?戻れる?」 ────そう。今日は3日目の水波祭最後の日。 「うん、大丈夫。優馬くんのおかげだよ。」 少し無理に笑ってはいたけど、俺はそれ以上何も言わなかった。 いや、違うな… 言えなかったんだ。 傷つけてしまいそうで怖かったから…。 教室に戻ると相変わらず満員になっていた。 そこで、あることに気がつく。 彼女の悲しげな目がとらえている人物。 ──片瀬慧を。