『そりゃ楊君は高校生の頃からの付き合いだったからね。敦は高校生になったから変わったの』
『………』
『楊君と出会ってね』
『俺と?』
予想外の発言を聞き視線を敦の母親にやる
小さく頷くと敦の母親は続けた
『敦は中学2年生の時いきなり見た目も中身も変わっちゃって
親の私でも怖くて近づけなかったの
それも全部親の私のせいなんだけどね』
『……』
『知らなかったと思うけど敦中学は私立で進学校に通ってたの
嫌がる敦に無理矢理受験させて勉強ばっかりさせてきた
やりたいことも夢も全部私が握っていたようなものでね』
『……』
『敦はずっと頑張ってたの
今はあんなんだけど当時はずっと学年1位でね
1位じゃなきゃ私が怒鳴りつけて叩いてしまっていたからきっと怖かったのよね』
敦の母親は寂しい目をして笑った
『私以上にお父さんが厳しくて思い返すと敦とお父さんが笑い合ってたことなかったなって…けど敦が中2の時私とお父さん離婚したの』
『……』
