「あれ?そんな青ざめた顔してどうしたの?あ・・・高梨君にでも振られた?」
「・・・・っ。」
そんなこと軽々しく言わないでよ・・・・。
「君・・・・。」
「あ、初めまして。私、七深って言います。あなた彼女の彼氏さんですよね?」
「あ・・・うん。そうだけど。それより・・・高梨君に振られたってどうゆうこと?」
まずい・・・そんなこと彼に聴かれたらっ!!
「七深さん!!・・・彼は関係ない。その話はしないで。」
「ふーん・・・されたらまずいんだ??」
「星華・・・・俺が聞いちゃ駄目なの?」
っ・・・。
俊ちゃんにそんなこと聴かれるとどう返事していいか・・・。
「えっと・・・・その。」
「いいよね甲坂さん?別に疚しいことじゃないんだから。」
そうだけど・・・そうゆう意味じゃなくて。
どうしよう・・・どうすればいいの!?
「おい。七深ダンス踊るんだろ。」
あ!恭ちゃん・・・。
「あ、高梨君わざと?」
「たまたまだ・・・ってなにが?」
「なんでも。・・・お二人の時間を邪魔するの悪いからあたし高梨君といくね!」
待って・・・彼に話さなきゃ!!
「星華。顔色悪いよ・・・外でよう?」
私が彼を呼びとめようとしたとき・・・俊ちゃんに止められた。
「あ・・・うん。」
特に否定する理由も無かった。
それに顔色が悪いのも自分でもよく分かる。
サァー・・・・。
空をてらす月明かりと無数の星。
風が頬を伝い・・・少し落ち着いた。
「どう?気分よくなった?」
彼は私の顔色を伺うなり優しく頭を撫でる。
「うん・・・。きっと人ごみに酔ったのかも。」
あははっと苦笑いして私は彼に返した。
正直まだ調子はよくない。
人ごみに酔ったなんて上手い言い訳・・・。
本当は俊ちゃんに全て聴かれることに恐怖を感じていただけ。
「無理しないで・・・そんな顔させたくない。」
優しく微笑みかける彼・・・。
あぁ・・・優しい手・・・・。
