幼馴染と彼氏の事情


「・・・っ。」
「まぁ・・・甲坂さんの気持ちが分からないままなんだったら、私・・・高梨君のこともらうから。」

うるさい!!!!!

「私・・・彼が誰と付き合おうと彼の勝手だけど・・・あなたには渡さない!!!」

あ・・・言ってしまった。
今のは・・・彼に対する気持ち?
わからないけど・・・それしかいえない。

「そっか・・・それが本音ね。んじゃああたしに取られないように頑張れば?まぁ・・・今のままじゃ無理だけどね。」

早く・・・早く彼を探そう。
そして彼に言わなきゃ・・・。

「そんなのわからないじゃない!!」

わたしはそれだけを伝えると体育に向かって走った。



たったった・・・。

「はっはっ・・・恭ちゃんはどこ!?」

体育館の中に入って人ごみを探す。

どこ・・・どこ・・・どこ!?

ドン!!

その拍子に誰かとぶつかる。

「きゃ!!」

あ・・・転ぶ!!!

ギュ・・・・。


「え・・・。」

あれ、転んでない。
ってか誰か腕掴んでくれた?

「星華・・・いた。」
「・・・・あ、俊ちゃん!!」

彼は私の腕を掴みゆっくり起こす。

「どうしたのそんな急いで。」
「今・・・今、恭ちゃんどこにいるの!?」

探さなきゃ・・・彼を。

「恭ちゃんって幼馴染のことだよね?あいつ探してるの?」

俊ちゃんはそういって私の掴んでた腕に力を込める。

っ・・・。

「うん・・・彼に伝えなきゃいけないことがあるの。」
「伝えないといけないって何?」
「それは・・・。」

今はいえない・・・。

「とにかく・・・ごめんね・・・。」

私は彼が掴んだ手に触れていった。

すると彼は強く・・・・

ギュ・・・。

抱きしめた。