「早く!次の日程に遅れるぞ!」
「は、はいっ!」
ジャージのポケットから、慌ててケータイを取り出す。
お母さんから、何があるかわからないからケータイだけは絶対に持ち歩けって言われてるんだけど……
まさか、その癖がこんな状況で役立つなんて思ってもいなかった。
言われるままに、お互いのケータイをまっすぐつなげる。
画面に出てきた“奥間ミサキ”の文字に、胸がとんっと跳ねた。
「じゃ、連絡するからケータイ見とけよ?俺は、そろそろバイトの時間だから」
「は、はいっ!」
まだ、バイトはじまってなかったんだ……。
早起き、なんだな。
海の家の中に消えた背中を想い浮かべながら、私は急いでホテルに向かった。
「手島さん、集合時間過ぎてますよ!」
「すみません、先生。次は気をつけます!」
今日の午後は、バスを使った団体行動。
出欠確認に遅れた私は、整列するみんなの視線を浴びながら、列に混ざった。
出席番号順なんだけど……
一番前に座る雨宮さんの視線が痛い。
あ、でも、いつもよりもメイクは薄めかも。
榎本さんは、相変わらず眠たそうだなぁ……
そのまま、何事もなかったみたいに先生の話を聞きながら
私は右手に持った小さな紙袋をぎゅっと握った。
「は、はいっ!」
ジャージのポケットから、慌ててケータイを取り出す。
お母さんから、何があるかわからないからケータイだけは絶対に持ち歩けって言われてるんだけど……
まさか、その癖がこんな状況で役立つなんて思ってもいなかった。
言われるままに、お互いのケータイをまっすぐつなげる。
画面に出てきた“奥間ミサキ”の文字に、胸がとんっと跳ねた。
「じゃ、連絡するからケータイ見とけよ?俺は、そろそろバイトの時間だから」
「は、はいっ!」
まだ、バイトはじまってなかったんだ……。
早起き、なんだな。
海の家の中に消えた背中を想い浮かべながら、私は急いでホテルに向かった。
「手島さん、集合時間過ぎてますよ!」
「すみません、先生。次は気をつけます!」
今日の午後は、バスを使った団体行動。
出欠確認に遅れた私は、整列するみんなの視線を浴びながら、列に混ざった。
出席番号順なんだけど……
一番前に座る雨宮さんの視線が痛い。
あ、でも、いつもよりもメイクは薄めかも。
榎本さんは、相変わらず眠たそうだなぁ……
そのまま、何事もなかったみたいに先生の話を聞きながら
私は右手に持った小さな紙袋をぎゅっと握った。


