「はぁあああ……」
駄目に決まってるよ、そんなの。
こんなことになるなら、この前テレビで見たバストアップ運動でもやっとくんだった!
「なーに溜息吐いてんの?早く着替えないと、みんなに置いてかれるぞ!」
「へ?」
びっくりして振り向くと、そこには溜息の原因、奥間さんがいた。
「き、着替えますよ!」
「早くしろよー。こればっかりは、遅れても朝の時みたいに助けられねーからな」
そう言いながらも、奥間さんはそこを動く様子がない。
いや、動いてくれなきゃ着替えられないじゃん!
1人であわあわしてる私なんて気にもしてなかったのか
気付いたら唯真もくるみも着替え終わってる。
「早くしなよ、栞那。着てないの、栞那だけじゃない?」
「いや、そうでもないみたいだけどな……」
「え?」
首を傾げながら、3人で奥間さんが指をさした方を見た。
そこにいたのは、隣のクラスの担任。
社会を教えてるあの先生は、同じ社会でも穂高先生と違って若くもないし……
もちろん格好良くもなくて、メタボ気味なお腹を気にしてる。
「ウチには、あれより大きいサイズはないんだよな……」
「え?じゃあ先生は?」


