2年3組乙女事情

「こ、これ着るの……?」


「そりゃそうでしょ。スキューバってそういうものじゃない?」


「でも、ここで着替えるの……?」


「そうみたいだね。くるみもこれは抵抗あるけど……栞那ちゃんの原因は彼だよねー?」



いじわるな表情を浮かべるくるみに、私は思わず頬を膨らませた。



あれから、私たちは予定通りに海岸に出て、スキューバダイビングをすることになった。

そして、今はウェットスーツに着替えるところ。


リア女がスキューバの指導とか道具の貸出とかをお願いしてたのは、奥間さんがバイトをしてる海の家だった。



海の家って言っても、お土産物屋さんもあるし、建物もしっかりしてるし、言葉のイメージとは全然違う雰囲気なんだけどね。


それで、コンクリート張りの床と屋根しかないこの場所で、私達はそれぞれ、借りたウェットスーツを着ることになったんだけど……


これを着るには、私は今着てるTシャツを脱がなきゃいけないんだよね。



日差しが強くて焼けると大変だからって、海に入る時はTシャツを着ることが義務付けされてる。



でも、スキューバダイビングをする時は別。



もちろん、Tシャツの下には水着を着てる。

今回のために、唯真とくるみの3人で買いに行った可愛いヤツをね。



でも、他のバイトさんはともかく、奥間さんにもしもこのビキニ姿を見られたら……



100%がっかりさせるに決まってる!



何で今日に限って平日じゃないの!?


いや、向こうが私のことを意識してないのはわかってるけどさ!



でも、やっぱりこの、どんまいとしか言えない胸を人にさらすのは……どうなんだろう?