「とりあえず、ちゃんと説明して」


朝食の時間。

同じテーブルに座った唯真[ゆいま]が、怖い顔をして言った。



食事をとるレストランに入ると、白いテーブルクロスのかかった丸いテーブルがたくさんあった。

しかも、そのそれぞれに、もうご飯がならんでる。


パンやスクランブルエッグ、ソーセージなんかの、どこででも食べられるものばかりなんだけど

レストランの雰囲気と盛り付けで特別に見えるからすごく不思議。



「くるみも聞きたい!いきなり一目惚れしたぁーなんて、びっくりだよぉ」



唯真の隣に座るくるみも、私に向かって身を乗り出す。



私達が座ったテーブルには、3人分のご飯しかない。


普段よくいるメンバーだけになったのを良いことに、くるみまで話に乗ってきた。



「そうそう。栞那はマンガとか小説とか好きだけど、くるみと違って物語と現実の差はちゃんとつける奴だって思ってたんだけど……」


「唯真ちゃん、それはくるみに失礼」


「ん?あぁ、ごめん。ボクが悪かった」



私は、2人にとりあえず、にこっと、苦笑いを返した。



だって、何か怖いんだもん……。



私達って、3組の中でもなかなか特殊な3人だと思う。



唯真は、真面目で、現実主義で、すごくしっかりしてる子。


でも、実はものすごく変わった子。



普段は、可愛いピンクのスカートが自慢の制服を規定通りに着こなしてるけど


修学旅行で私服の今は……

何だっけ……新宿?原宿?……いや、渋谷だっけ?