あたしは、どこかぼうっとした気分でバイトへ行った。
バイトの最中も意識ははっきりしないままだったけど、仕事は何の問題もなくこなせたと思う。
いつものように夜遅くに家に帰ると、母親が作っておいてくれた夕食を温めて食べた。
お風呂に入って、化粧水を付けたら、今度は勉強の時間。
日付が変わってから、もう3時間だ。
静かな家の中に響くのは、あたしがシャーペンを滑らせる音と、妙にエコーのかかった笑い声だけだった。
「ありす、顔色が悪いみたいだけど大丈夫?」
「大丈夫だよ。ママ、気にしないで」
朝食の食パンを手に、母親の言葉を軽く流した。
朝食はいつも、何も加工のされていない食パンと水。
初めは、味のないペラペラした食パンも、生温い水も大嫌いだった。
でも、今は、これがあたしの朝食なんだって、無理矢理納得して、諦めてる。
正直なところ、徹夜明けの体には、この食事の質と量が辛いけど。
これは、仕方がない。
ママとあたしのわずかな収入だけで支えられてるウチの家計に、豪華な朝ごはんを食べる余裕なんてない。
「ごちそうさま」
朝食を食べ終えたあたしは、席を立って洗面所へ向かった。
鏡にうつる、水色のピアスが見える。
口をゆすいで、水色の歯ブラシを棚に戻した。
「行ってきます」
「いってらっしゃい」
洗いものをする母親にそう声をかけて、笑い声の聞こえなくなった部屋に視線を送ってから学校へ向かった。
バイトの最中も意識ははっきりしないままだったけど、仕事は何の問題もなくこなせたと思う。
いつものように夜遅くに家に帰ると、母親が作っておいてくれた夕食を温めて食べた。
お風呂に入って、化粧水を付けたら、今度は勉強の時間。
日付が変わってから、もう3時間だ。
静かな家の中に響くのは、あたしがシャーペンを滑らせる音と、妙にエコーのかかった笑い声だけだった。
「ありす、顔色が悪いみたいだけど大丈夫?」
「大丈夫だよ。ママ、気にしないで」
朝食の食パンを手に、母親の言葉を軽く流した。
朝食はいつも、何も加工のされていない食パンと水。
初めは、味のないペラペラした食パンも、生温い水も大嫌いだった。
でも、今は、これがあたしの朝食なんだって、無理矢理納得して、諦めてる。
正直なところ、徹夜明けの体には、この食事の質と量が辛いけど。
これは、仕方がない。
ママとあたしのわずかな収入だけで支えられてるウチの家計に、豪華な朝ごはんを食べる余裕なんてない。
「ごちそうさま」
朝食を食べ終えたあたしは、席を立って洗面所へ向かった。
鏡にうつる、水色のピアスが見える。
口をゆすいで、水色の歯ブラシを棚に戻した。
「行ってきます」
「いってらっしゃい」
洗いものをする母親にそう声をかけて、笑い声の聞こえなくなった部屋に視線を送ってから学校へ向かった。


