「玲が本読んでて俺の相手してくれないってわかってるのに、休みの度に玲の部屋に来る俺の気持ち……気付いてないだろ?」


「何それ?」


「わかりやすすぎて玲のお母さんにまでバレてんだけど?」


「え?」



真剣な顔で話す亨の言葉の意味がわかんない。


ぽかん、としてたら、亨がはぁ、と溜息を吐いた。



「じゃあ、いつもは何もしないのに、玲の読書を邪魔していきなりキスした俺の気持ちは?」


「……欲求不満?」


「阿呆かっ!」



さっきみたいに、亨の顔に皺が寄る。

思わず肩がびくっ、と動いた。


近くで見ると、何か迫力満点。



「……」


「おい……何、ぼけっとしながら見つめてんだよ。
しかも、いきなり黙るな」