2年3組乙女事情

「いざっ!出陣ーっ!!」


「舞花!静かにっ!!」



私の家をびしっと指を向けて叫ぶ舞花を、私は必死で押さえた。



「とりあえず、中に入ろ!
たぶん、ママはいると思うから」


「わかった!」



これ以上楽しいことはない!


とでも言いかねないような笑顔で、舞花は私の後に続いて家に入った。



薄いグレーの石が綺麗に顔を出してる玄関を通り過ぎて、白でまとめられたリビングを覗く。



思った通り!



すでに家にいたママは、私の気配に気付いて顔を上げた。



「おかえり、芽依。
荷物を置いたら練習してね」


「わかってる。
あー……でもね、ちょっと舞花が来てて、一緒に宿題をやることになってるの。
リビング使ってもいいよね?」


「舞花ちゃんが?
まぁ、宿題なら仕方がないけど、早く終わらせるのよ」



少し不機嫌そうに答えて、ママはリビングから出ていった。


飲み物でも用意してくれるのかな……?



「じゃ、とりあえず宿題やっとく?」


「うん」



面倒そうに言った舞花に、私は迷わず頷いた。