「えぇー!!彰宏君、椿駅にいたって認めちゃったの??」


次の日の朝一番に、あたしはメールの内容を瑛梨奈ちゃんと亜希帆ちゃんに話した。


「しかもさぁ、このわかりやすーーい嘘ってどう思う?
明らかに、男の子といました!って感じをアピールしてると思わない?」


「確かに、この内容からじゃ、自分よりも年下の、おとなしそうで、目がぱっちりしてて、さらっさらのストレートヘアーの女の子と腕を組んで歩いてたとは考えられないよねぇ……」



亜希帆ちゃんは、あたしのケータイをいじりながら、評論家みたいに真面目な表情で語っていた。


「はぁぁ。やっぱり、昨日の子は彼女?……ってか、あたしは彼女じゃないの?
え?もしかして、あっちが本命?……あたしって、あんなちっちゃい子に負けてるの?」


「ちっちゃい……って、果歩ちゃんよりも身長高かったでしょ?あの子」


「うん。それに、適度に大人っぽくて可愛かったよね!」



焦るあたしを無視するかのように、2人は勝手に会話を続けてる。


「おはよう!」


ホームルーム開始時間の少し前に、教室のドアが勢いよく開いて、担任のおばさん先生が入ってきた。


薄い黄色のぴちぴちしたスーツが痛々しい。


もやもやとした気持ちをぬぐえないまま、今日も学校が始まった。