「何か楽しそうにしてるけど、私達が見たのは彰宏君の浮気現場でしょ?
放っておいてもいいわけ?」


オレンジジュースの入ったグラスを傾けながら、瑛梨奈ちゃんが言った。


「いいわけないじゃん!浮気なんて許せないもん!
しかも、中等部の女の子だよ!?
まじありえないし!」


「うーん、でもどうする?
きっとさぁ、彰宏君を直接問い詰めたって、絶対に正直なことなんて言わないよねぇ?」


瑛梨奈ちゃんが持ってきたクッキーを右手に持ちながら、亜希帆ちゃんが言った。





今日は、先生達の会議があるらしくて、学校が5限で終わった。


だから、暇だったあたし達は、駅前にある若者向けのデパートへ買い物に来ていたの。


来週の日曜日のデート用に、可愛いシフォンのワンピースを手に入れて上機嫌だったのに……。




デパートから出て最初に見たのは、彼氏がリア女の中等部の子と腕を組んで楽しそうに歩いてる姿だった。