「ありすちゃんはちょっとクールなところがあるけど、すごくいい子だから。
佐奈が困った時とか頼れば力になってくれるだろうし、仲良くなってみたら?」


「……うん。今度、話し掛けてみる」


そう言って顔をあげると、カズがにっこりと微笑んでくれた。


「ねぇ、カズ……。勉強……しない?」


「いいよ。やらなきゃね、日本史」



「うんっ!」












世の中、やっぱり不公平だと思う。


でもね、その不公平は、自分が一生懸命頑張ることで、きっと少しずつ消えていくって思うの。




だってね、気付いたんだもん。



世の中は、あたしの心と同じくらい狭い。





だから、あたしがもう少し広い心を持てば、簡単に包んで、簡単に変えちゃえるんだ!




カズや雨宮ありすがあたしにしてくれたみたいに、ね。




「えぇっと、カ、ワチノフミウジがワニで、ヤマトノ、アヤ、ウジが……アチノオミ!」




そう、頑張ればきっと……。


こうやってね!





〜2番 榎本佐奈 END〜