おばさん……、担任ならあたしをかばうくらいしたらどうなの?
込み上げそうになった怒りを鎮めて、あたしはゆっくりと口を開いた。
「言葉遣いの件に関しては、私の注意が欠けていたのだととても反省しています」
新聞記事を囲んでたせいだと思う。
あたし達に気付いてなかった先生達は、びっくりした表情を見せた。
「あまりにも自分のテストの点数が悪かったので、思わず取り乱してしまったんです。
穂高先生、失礼な態度を取ってしまい、申し訳ありませんでした」
「あぁ。峯岸の普段の態度を見ていれば取り乱してたことくらいはわかるよ。
今後そうならないためにも、今はきちんと勉強しないとな」
それに何? この教師面――――
頭を下げたあたしに、瑤はにっこりと綺麗に微笑んだ。
「穂高先生、峯岸さんの成績の件で話があるって聞いたんですけど。何か別の話してます?
あたし達、後にしましょうか?」
「いや、今で良いよ。ちょうど、他の先生方にも見ていただいた方がわかっていただけると思いまして」
そう言うと、瑤は持っていたノートパソコンを開いた。
ロックを解除して、みんなに見えるように画面を目一杯開く。
あたしの場所からはよく見えないけど、画面には何かのグラフが作られていた。
いくつかの線が、グラフを這ってるのが見える。
「これ、峯岸さんの社会のテストの点数の推移です」
「は……?」
思わず声を上げたあたしは、瑤を押しのけて画面を見た。
1年の分から始まったグラフは、学校の定期テストと学外の模試、実力テストの3本のラインでできていた。
さっき何か作業をしてると思ってたら、これを作ってたの!?
この間あんなに止めたのに……!


