2年3組乙女事情


「美海、本当に苦手なんだ……社会」


「うん。これだけはどう頑張っても無理」


「何で?」


「規則性がなくて覚えられない」



そんなことがあった週末。


ありすがあたしの現代社会のノートを覗き込みながら言った。



「高校生らしく、一緒にテスト勉強とかしてみない?」



そう切り出されたのは、昨日のこと。



ありすの性格なら、1人で黙々と勉強する方が合ってると思うんだけど……。



同じことは、あたしにも言えるわけで、どうしてこんな状況が生まれたのか、あたしによくわかってない。



それでも、両親が出かけていないウチのリビングで、あたし達は向かい合っていた。



「規則性って?」


「数学でも物理でも、似たような公式とか解き方のパターンなんかがたくさんあるでしょ?古典とか英語の文法とかも。
社会って、人間がいろいろ模索した結果なだけあって、中身もぐちゃぐちゃな気がして、脈絡なくて覚えられないの」


「なるほどね」



あたしの言い分がわかったのか、わかってないのか、どうでもいいのか

ありすは小さくそう頷くと、自分のノートに戻った。



「もしかして、何かコツでもある?」


「ん? ひたすら覚えるだけ」


「あ、そう」