「美海、本当に苦手なんだ……社会」
「うん。これだけはどう頑張っても無理」
「何で?」
「規則性がなくて覚えられない」
そんなことがあった週末。
ありすがあたしの現代社会のノートを覗き込みながら言った。
「高校生らしく、一緒にテスト勉強とかしてみない?」
そう切り出されたのは、昨日のこと。
ありすの性格なら、1人で黙々と勉強する方が合ってると思うんだけど……。
同じことは、あたしにも言えるわけで、どうしてこんな状況が生まれたのか、あたしによくわかってない。
それでも、両親が出かけていないウチのリビングで、あたし達は向かい合っていた。
「規則性って?」
「数学でも物理でも、似たような公式とか解き方のパターンなんかがたくさんあるでしょ?古典とか英語の文法とかも。
社会って、人間がいろいろ模索した結果なだけあって、中身もぐちゃぐちゃな気がして、脈絡なくて覚えられないの」
「なるほどね」
あたしの言い分がわかったのか、わかってないのか、どうでもいいのか
ありすは小さくそう頷くと、自分のノートに戻った。
「もしかして、何かコツでもある?」
「ん? ひたすら覚えるだけ」
「あ、そう」


