教員の間には広まってないのか……。
あたしも、トイレでたまたま他のクラスの子が話してるのを聞いたことがあるだけだ。
「あたしがテストの度に社会だけ悪い点数を取ってて、瑤はあたしと一緒にいるためにあたしにだけわざといつも課題を出してるって」
「つまり、俺たちが実は付き合ってて、課題を言い訳に堂々と会ってる、ってか」
瑤は、うつむき加減で小さく笑った。
「半分アタリで、半分ハズレだな」
わざと悪い点を取ってはいない。
わざと課題を出し始めたわけじゃない。
実は付き合ってるわけでもない。
でも、課題を言い訳に堂々と会ってるのは、本当。
……って、半分どころかほとんど間違ってるじゃん、噂――――
1年からずっとテスト後の課題の常連だったあたしは、だんだん瑤と仲良くなった。
敬語を使い忘れるとか、フレンドリーなスキンシップが増えるとか……
最初はそんな、小さな変化があっただけ。
テストは、定期的なものだけでも年に4回。
それに、実力テストと休み明けのテストがあって、学級委員だから今日みたいな雑用を任される時もあって
気付いたら何となく、お互いを名前で呼ぶ仲になってた。
「ちょっとズルいかもね」


