ー3056ー


獲物が待つ部屋

ゆっくりドアを開ける

いつでも撃てるよう
ピストルを構えながら


そこには街の綺麗な景色

そしてー…



「俺を殺しに来たんでしょ?」


と微笑む刃の姿


『じ、ん…
 殺せないっー』


持っていたピストルは
床に落ち、手が震えてる


「俺の任務も
 知ってたんでしょ?」

『ーっ』


全部知ってた

私が刃を殺すこと
刃が私を殺すこと…


「ほら、撃たないと
 ボスに殺されるよ?」


貴方は私に落とした
ピストルを持たせる


『できない…っ』

「どうして?
 いつも殺ってるでしょ?」


少し潤んだ貴方の瞳


『刃だって任務なんでしょ?』

「いいんだよ。
 俺のことなんて」

『どうしてっ』

「これが俺の運命なんだから」


と夜景を見ながら言った貴方