「……」





じっちゃんの強引さにはやっぱり敵わんなあ。こりゃ帰ったらまた説教だな。…やっぱり帰りたくないなあ。でも帰らないと、それはそれで雷落ちそうだからヤバいし…、あぁ。









――『間もなく、三番線に電車がまいります。ご注意下さい』







なんという、いいタイミングなのかよく分からないが電車がきた。やっときたよって感じだ。惠瑠は扉が開いた瞬間勢いよく乗り込みいつもの窓側の一番隅の席に座る。特等席だ。




窓にこてんと頭をもたれかけ、外を見る。穏やかだなあ…。あぁ…なんか眠くなってきたじゃん。惠瑠は一つ大あくびをして瞼を閉じた。慣れない補習とやらの疲れと、電車内の心地よいクーラーが体に染み渡って余計力が抜けて眠くなったのだ。






いい気持ちだなあ。







どちらにしろ降りるのは終点だからたくさん寝れるな。惠瑠は眠気で健三郎のことなんてふっ飛んでしまったようだ。











出発のアナウンスを聞いたのを最後に意識を離した。