芹沢が言っても近藤はなかなか頭を縦に振らなかった。彼にも考えがあるようだ。





「…芹沢さん、俺は別に彼女をここに置くことに反対というわけではないんです」



「近藤さん!!」



「いいから聞いとけ歳、…ただ、彼女が本当にここに来て幸せなのか心配なんです。ましてや自分からここに来たいなんて……、他に選択があったはずだ」





君はなんでこんな所に…、そう言って悲しそうに惠瑠を見た。





惠瑠にはわからなかった。なぜそんなことを思うのか、と。




他人のことをなぜそこまで考えられるのか。そして、なんとなく心配する理由がわかってムッとした。






「私は、アナタに心配される筋合いはどこにもない。それに、女だからとかそんな理由で言っているのなら実に腹立たしい。」




どうやら、惠瑠にとって女だからという理由は気にくわないらしい。






そんな惠瑠の生意気な口を聞いて、土方は黙っていられなかった。





「お前っ――」



「私はまだ入隊してない、だから別に言葉遣いを気をつけるように言われる筋合いはありませんよね?」





惠瑠は冷静に土方を見据えた。それを言われて土方は舌打ちして口を閉じた。いまだ眉間に皺はよっているが。







「面白い女だろう?どうだ惠瑠、お前の本気とやらを見せてやれ」




芹沢ただ1人ただ楽しそうに鉄扇をスッと惠瑠の目の前に突き付け口を吊り上げた。






近藤と土方は、一体何をするんだと顔をお互い見合わせた。