姉のおさがりである 黒のスーツに包まれて 私は桜の木の下にいる 緑の多いこの大学は 4月になると至る所がピンクに染まる 推薦入試後にばっさり切った髪も 肩まで伸び 着慣れないスーツに 恥ずかしさを感じながら 母の構えるカメラのレンズを眺めていると 後ろから私を呼ぶ声に振り返った 「紗緒ー!」 肩したまである長い髪を揺らしながら 私の元に駆け寄ってきた