欲望に埋もれた夜の街――…。 その一角にその少女は居た。 「任務、終了…」 全身を黒で埋め尽くされ佇むその姿と共にあるのは、地面に横たわる一人の人間。 血独特の生臭さが辺りには漂い、異様な雰囲気を醸し出していた。 月明かりに照らされ、終わりを告げるその声は、恐ろしい程冷たく、美しい。 「どうか、安らかに眠りなさい」 横たわる人物にそっと吐くと、少女は闇に紛れ姿を消した――…。