助けを乞われた先輩は、やれやれというふうにため息をつくと、神原君の頭に手を置いて優しく言った。
「まぁまぁ…部長。こいつもサボろうとしたわけじゃないんですから、許してあげましょうよ――ジュースおごりで」
「…仕方ねぇな、ジュースおごりで許してやるよ」
「は、はぁ!?何っ、え、なんで!?」
二人のペースにのせられた神原君は、ズルズル二人に引きずられて科学室を出ていった。
…きっとジュースをおごらされるのだろう。
科学室に取り残された私と由紀ちゃんは、しばらくたわいない会話をした。
先生のこと、勉強のこと、そして――――
「で、桜はいつ先輩に告るの?」
「っっっ!!!」
由紀ちゃんはニヤニヤしながら、そんな質問を切り出した。


