薄青色の無地の天井。

そこに絵の具で描かれた様な、

白い綿が伸び、流れている。

処は私立・扇学園。

幼児科から大学院まで幅広い層の学生を

扱う。

とある区切りごとに行われるテストさえ

パスすれば後は普通のエスカレート式学園だ。

僕は其処に特待生という形で入学した。

特待生と言っても、僕は普通の学力しか

持たない。

とある事情を持つ子供を受け入れる、

という学校の慈善活動に救われただけだ。

“とある事情”が何なのか。

それは後々、その気になったらお話ししよう。

きっと貴方が聞いても面白い事ではないと思うから。



遠くの方でチャイムの音が響く。

きっと中等科からだろう。

中等科の始業のチャイム。

それは、高等科の予鈴の代わりを果たすのだと、

いつか誰かから聞いた。

溜め息を一つつく。

―次の授業は自習じゃないんだっけな……

僕は渋々、屋上を後にした。