ブゥーン

ブゥーン


―――――――


『お父さーん。まだ着かないのぉー?』



『んー…。後もう少しのはず!』



『本当なんでしょうね!?あなた。』



『あ、あぁ!本当にもう少し…―――
あっ!!あの家だよ!あれ!』



ふぅ。全くお父さんの方向音痴にはなれないわー…。



あたし東条 梨華 (とうじょう りんか)は、


今日ここ、東京に引っ越してきた!!……所までは良かったんだけど、さっきも思ったけどお父さんの方向音痴は

神の域を超えてる

から、それはそれは大変だったこと!



でもまぁこうして家にも着けたことだし!いーんだけどねー!




『何してんだー?早く降りて家見てみろよー!!』



お父さん、小さい子供みたい。

まぁ、そこがいいんだけどね!



『うん!!今行くー!!』



行こうと思い、車から降りた時。


『あれ!?お母さんは……?』


お母さんがいない!あのサバサバした
お母さんの事だから、家にすぐ行くわけないし………。



ちょっと探すか!!


『お母さん探してくるー!!!』



そうお父さんに告げ、家から少し離れた所まで小走りした。


『おい!!梨華!!1人で出歩くな!!母さんならここにいる!!』


そう必死でお父さんが言っていた事も知らずに―――。