着信:千葉 渚


遅くなるって言ってたのに、案外迎え頼むの早くね?

そう思って電話に出ると、その相手はナギじゃなくて美幸ちゃん。


「もしもし!由くん?」

「そーだけど…なんで美幸ちゃん?」

「渚が間違ってお酒飲んじゃって…その、すごい酔って…」


バツが悪そうに話す美幸ちゃんの後ろから

「美幸ぃー♪えへっ」

チュッ、ってリップ音。


「…ちょ!渚じっとしてて!…とゆうことで由くん迎えこれる?」


…アイツ、何してんだよっ!


「ありがと!すぐ行く!」


秋都もそうだけど、千葉家の奴は酒が弱いっぽい。

しかももっと立ち後悪いのは酔っ払いになるとキス魔になるってこと。


最初秋都と飲んだ時に俺も秋都にキスされた被害者だし。


ってそんなことよりナギだ!ナギ!

あいつも酔っ払って、美幸ちゃんにキスしてたし…

もしかしたら他の奴にも……?



「ありえねーっつーの!!」


俺はさっき美幸ちゃんから聞いた場所に全速力で向かった