「 そういえば、今日は
  早く帰るって言ってたよ~ 」





それからあたしは龍弥のチョコを
作っていて、海くんはリビングに
移動して早速チョコを食べていた。






「 え!?聞いてないよ? 」


「 バレンタインだから、ね? 」


「 ・・・ね、って・・ 」






それなら、急がなきゃ、と
クッキーを焼いて、買ってきた
箱に詰め込む頃には、外は薄暗く
なっていた。







やっとできた今日のための、
彼のための手作りのお菓子。
なんとなく嬉しくて、
すぐに見つからないように
寝室に置くことにした。