「 お前の香水、くさい 」 「 これ、結構人気あるのよ? 」 「 くさい 」 「 ・・・文句言いにきたわけじゃ ないなら黙ってくれない? 」 引きつった笑顔を浮かべた彼女は あたしに視線を戻して、 「 さっきまで、龍といたのは本当なの 」 「 ・・・・え? 」 綺麗で、礼儀正しくて、こんな大きな ホテルで働いているこの人に比べたら あたしなんか・・・・。 「 でも、勘違いはしないで? 」 あたしのネガティブな発想は 案外簡単になくなった。