目を見開いた龍弥は 何も、言わなくて。 あたしの目からは、ボロボロと 涙が零れた。 「 ばかぁっ!!!!! 」 気づいたら、あたしは龍弥を 通り越して、家を出ていた。 階段を駆け下りて、 あてもなく走り続けて、 息が切れて、苦しくて、 涙が止まらなくて、 ───────今日は、バレンタインなのに。