それをしっかりと受け取ったら、椿は生気のない顔で微笑んだ。
その笑顔見たとたん、涙が後から止めど無く出てきた。


「…っ…椿が死んだら何でもない…じゃない!」


「はは…そうだね………魁梨は…笑顔の方が…似合うよ…」


そして震える手をゆっくりと上げると、私の頬に流れる涙を拭ってくれた。


「昔から…泣き虫で…泣くたび…僕はどうしていいか解らず……側にいる事しか…出来なかった……でも好きだった…愛していた……」


「私も、私も椿の事…好きだよ」


椿の胸で泣いている時、私の肩に回っていた椿の腕がズルっと地面に落ちた。


「………椿?」


その時私が何度も名前を呼ぼうと、その瞳が二度と開く事はなかった。


「椿! ヤダよ!目を開けてよ! 椿――!」


私は椿が死んだ事が信じられなく、何度も何度もその体を揺すっていた。
その時、椿の体が薄れて無数の光の玉になると、空に向かって舞い上がり消えていった、残されたのは私と、椿の首飾りだけになってしまった。


「―――嫌!!――」


椿が消えた後
その場所で泣き崩れていた私を見つけたのが百合だった。
私は百合に促されるまま森に入っていき、あの花園であった女の妖精にあった、

そしてあの花園での出来事の謝罪と一緒にいた理由を聞いた。

あれは単なる偶然の産物だった

私を待つ間、椿は一人で首飾りを作っていたらしい、そこに知り合いの、あの妖精が来て首飾りを作ってる椿を、からかっていただけと言う事を。

それと妖精は死んだら花に戻って、また妖精として生まれてくるのだと

その時、私の事も何もかも忘れているけれど、今度生まれて来る時には幸せになって欲しいと願いながら、私は椿がくれた首飾りと、思い出を胸に今度こそ妖精達に永遠のさようならをした。