私の家の裏には大きな森がある、そこには沢山の妖精たちが住んでいる。

私が森に一歩入ると、妖精たちは喜んで歓迎してくれる、両親に話した事もあるけれど、全然信じてくれなくて不気味がられてしまった。

すぐに信じてくれないのもわかっていたが、それからの親の口癖が森には近寄るな!になってしまった事に後悔した。

私が妖精の存在に気付いたのは、父に怒られて泣きながらつい森に入ってしまった10歳の頃だった、泣いている私を慰めてくれたのが道に迷って泣き出しそうになってた子供の妖精だった。


「……どうしたの? どっか痛いの? ねーどうしたの?」


「…お…父さん…に…怒られの…」


その子供の妖精は私とほとんど背は代わりないぐらいで、しゃがみこんで泣いてる私のすぐ横に座って、頭を撫でてくれた。


「そうなんだ…僕ね椿って言うんだ、君は?」


「…魁梨…」


「かいりちゃんか、僕が側にいてあげるから泣くのやめなよ、君は笑顔の方がカワイイと思うよ。笑いなよ、かいりちゃん」


「ホント? ホント絶対側にいてね、約束だよ」


「うん、側にいるよ。かいりちゃんの側にいつまでも」


それが私と妖精の初めての出会いだった。