龍なる羽 壱【完】



大知の家は公園から5分ぐらい歩いたところにあるマンションだった


「此処。ちなみに、最上階」

って言って笑う大知の笑顔はなんだか寂しそうだった



エレベーターに乗って最上階に行き

3201号室の扉を開けた


「広いな‥」


「はは、そうか?」


「あぁ。なんか大知っぽいな、この部屋」


「初めてんな事言われた‥」


大知の部屋は黒のソファー、黒のベッド、テレビ、黒の机、黒のパソコン


など‥必要最低限の物しか置いてなかった


「飯食うか?」


「頼む、腹減って死にそう」

「へいへい。オムライスな」


そう言って大知は10分ぐらいでオムライスを作ってくれた


「ほい」


「サンキュー」


食べてみるとホントに美味かった


「美味いだろ」

「あぁ、めっちゃ美味い!!」


俺は食べんのに夢中でオムライスはすぐに無くなった


「ごちそうさん」


「いーえー。」


大知はいったん黙ってこう言った


「なぁ‥お前何があった」


聞かれると思ってた俺は本当のことを話した


「家に帰ったら親父とお袋がいなくてテーブルの上に手紙が書いてあったんだ


゙椎也へ

ごめんな

父さんたちもう駄目みたいだ‥

これから、母さんと海外に行くつもりだ

いつか戻ってくる


それまで待っていてくれ゙


って書いてあったんだ


もともと親父たち、借金があったんだ


多分もう返せないと思って逃げたんだろうな‥

俺を捨てて


前に言ったろ?


俺がなんで偽名を使っているか」