「はいーおまえら遅刻」


教室に入ってまず言われた一言。


「えー…」


不満そうな深紅を横目に席についた。


「ちっこく」


後ろの席でボソッと呟いたのは同じクラスの溝口拓巳。

いっつもふざけていてクラスを明るくする。


「うるっさいなぁ。努力はしたんだよ?走ったし!」


「でも結局ダメじゃん(笑)」


「あのねぇー…」



「そこうるさいです」



先生にビシッと言われ、あたし達は口をつぐんだ。