――コンッコンッ―― 「おはようございます 那琉様。起床時間でございます。」 今日も眠れなかった。 今は梅雨。 ここ最近ずっと雨だ。 ――シャッ―― 窓から見える景色は、 あの日を思い出させる。 「今行く。」 「かしこまりました。下で組長がお待ちですので。」 おかしい。 あの日をさかいに 家族とは、同じ家に住んでるだけで、他人なはずなのに。 とりあえず、行くしかない。 用意を済ませ、下へ降りた。