My Little Baby【短編】



ああ、そっか。


私、遼ちゃんが好きなんだ。



たどり着いた答えは、最初から私の一部のように、スッと私に溶け込んだ。



ただの幼なじみじゃなくて。


遼ちゃんは大切な男のひとだったんだ。



目じりから静かに静かに涙が伝う。



“すき”を自覚したとたんこの胸を締め付けるのは、片想いの痛み。



ねぇ、どうして怒ったの?


私のことなんて嫌いになったの?


ねぇ、―――どうして、キス、したの?



乱暴で、熱くて―――でも、やさしくて。



膨れ上がる期待と不安。



やがて期待することさえ怖くなる。



キスなんて、何でもなかったら?


キスにやさしさを感じたのが、ただの私の自惚れだったら?



―――遼ちゃんにとって、私なんてただのコドモな幼なじみにすぎなくて。


彼にとって、私というものがちっぽけな存在にすぎなかったら?





怖くて、たまらない。





ねぇ、遼ちゃん。


遼ちゃんにとって、私ってなに?