「「うわぁっ!!」」


ようやく目を覚ました大野センパイは、驚いて私の上から飛び起きた。


「チエちゃん…?
え?何で…?」


センパイは状況が掴めないようで、いつになく取り乱してる(そりゃそーだ)。


「ごめん!
もしかして俺、寝ぼけてチエちゃんに何か失礼なこと…」


「全っ然大丈夫です!
何もされてないんで!」


むしろ、しようとしたのは私の方です、だなんて口が裂けても言ないわ。


「あっぶねー。
隼人に殺されるとこだった」


大野センパイがホッと胸を撫で下ろす。


「へ?
橘センパイが、何で?」


「何でって。
アイツああ見えて、めちゃくちゃ一途なんだよ」


大野センパイの言葉に、私は耳を疑った。