目の前には、大好きな大野センパイのキレイな顔があと数センチまで迫ってる。


呼吸のタイミングでセンパイの甘い吐息が唇にかかると。
まるでキスを迫られているようで、頭がパニックになる。


これは夢?
そうだ、夢に違いない!
大野センパイとキス寸前なんてシチュエーション、現実じゃありえないもん。


ファーストキスは憧れの王子様とって、小さい頃からの夢だったし。
どうせ夢なんだったら、なるようになれ。


心を決めて、大野センパイの薄い唇に口づけようとした瞬間。


「ん…」


ハスキーな声を漏らして目を開けた大野センパイと目が合ってしまった。