この男、偽装カレシにつき

案の定、センパイは呆れ顔で溜め息をつく。


「全くお前は…。
課題が終わったら邪魔者は退散してやるから、それまで我慢しろ」


え?
邪魔者は退散って…。


「センパイは帰っちゃうんですか?」


「…当たり前だろ。
俺が一緒にいてどうする」


そっか、そうだよね。
私ってば、なんて当たり前な質問してんだろ。


邪魔者の橘センパイがいなくなったらラッキーじゃん。
大野センパイと二人っきりなんて、願ったり叶ったりじゃん。


そっかー。
初めからそのつもりで大野センパイを図書室に連れてきてくれたんだ。
ただのエロメガネかと思ってたら、ナイスアシストするじゃん。


どうやら、今度こそ私と大野センパイをくっつけるって言うのは嘘じゃないようだ。


俄然やる気の出た私は、橘センパイのスパルタ指導にもめげず、やっと課題をやり遂げたのだった。