この男、偽装カレシにつき

「いっそのこと、このまま本当に付き合っちゃえば?」


毒にやられた純ちゃんは、さらにとんでもないことを言い出す。


「無理無理無理無理!
そんなのありえないっつーの!」


私が好きなのは、誰がなんと言おうと、癒し系の大野センパイなの!
あんなろくでもないS男なんかじゃないんだから!



「―――ありえないのはお前だ」


私はその声で我に返った。


目の前にはエロメガネ、もとい橘センパイ。
そうだ。
私は今、ヤツに図書室で課題を見てもらってるトコだった。