「何すんですか!」


目の前に座った黒ぶちメガネをかけた橘センパイは、私に輪をかけて不機嫌そうな顔で、丸めたノートを手にしてる。


このメガネ。
さてはそのノートで私を叩いたわね。
私は叩かれた頭をさすりながら橘センパイを睨む。


「お前が勉強教えろっつったんだろーが」


言いましたよ。
ええ、言いましたとも。


「でもこんな超至近距離に大好きな大野センパイの無防備な寝顔があるんですよ!
勉強なんかに集中できるワケないじゃないですかー!」


そう訴える私の隣で、大野センパイは腕を組んで眠りついたまま、起きる気配は全くナイ。