無口なセンパイが、クールな顔の裏側で。
そんなことを考えてくれてたなんて、全然知らなかった。


「振り回されたのは、完全に俺の方だ…」


センパイは、ゆっくりと私の頬に手を当てる。


ねぇ、センパイ。
そんな顔で、そんなこと言うなんて反則だよ。


怒る気が一気に吹き飛んじゃったじゃん。


「好きだ」


ボンッ!
思いがけない言葉に、私の顔が火を噴く。


「好きだ」


や、やっぱり聞き間違いじゃない。


「俺はお前のことが好…」


「ま、待って」


私は慌ててセンパイを押し退ける。