この男、偽装カレシにつき

「なななな、何でセンパイがそれをっっ?」


「お前が窓から捨てたんだろうが」


やっぱり!
あのとき落としたんだ!


センパイが拾ってくれて探す手間が省けたわ、なんて喜んだのも束の間。
センパイは私の目の前で指輪を握りしめる。


「へっ?」


何?
返してくれるんじゃないの?


「大事なものは何一つなくなってないんだろ」


そ、そうだ!!
あのときは指輪を落としたことに気付いてなくて。
しかもセンパイがしつこく聞いてくるもんだから、面倒臭くてそう言ったんだった!


「嘘ですっ!
いりますいりますーっっ!!」


私は慌ててセンパイの手から指輪を引ったくった。