この男、偽装カレシにつき

橘センパイの腕が私の肩をグッと抱き寄せ、あっという間に私たちの距離は1センチに縮まった。


ち、近っ!
そしてなんてキレイな肌してんのよ。


…つーか、あれ?
なんかいい匂いがする。


なんて言えばいいんだろ。
清涼感の後から、ほんのり甘さが押し寄せてくるっていうか。


さすが橘センパイレベルの女タラシともなると、いい香水付けてるなー。
きっとどこぞの有閑マダムにプレゼントされたに違いない。


あまりにパニックになりすぎて。
私がそんなどうでもいいことに気を取られた次の瞬間。


橘センパイは私の首筋に唇を這わせた。