センパイの手のぬくもりで、私の目頭が熱くなる。


悔しいから教えない、なんて。
そんな意地悪なこと言ったって、結局大野センパイは優しい。


こんなことになって、結局傷付けてしまったけれど。
センパイを好きな気持ちは本当だったの。


校内でセンパイを見かけただけで、一日ウルトラハッピーだったし。


話ができるようになったときは、まるで夢を見てるみたいだった。


こんな私にとびきりの恋をさせてくれてありがとう。


そんな言葉じゃ全然足りないのに。
涙が止まらず、しゃくりあげることしかできないでいると。


「バイバイ」


大野センパイは最後に、おでこに小さなキスをくれた。