この男、偽装カレシにつき

「それを、週3でヤってるって…」


少女マンガから青年誌に、一段飛ばしどころか十段飛ばしくらいしちゃってますけど!


橘センパイはがっくりうなだれた私の横で、カレシいない歴16年の乙女が語る理想の恋愛にため息をつく。


「お前の頭は花畑か。
夢持ってんじゃねーよ」


イヤイヤイヤイヤ。
しっかり持たせてもらいますとも。
ショジョの私が恋愛に夢持たないで、誰が持つんだってハナシよ。


これだから、ロマンチックのかけらもないオトコは困るのよ。
大野センパイとは雲泥の差だわ。


「言っとくけど俊介だってオトコだぞ。
ああいう一見マトモそうなヤツの方がよっぽどエロいんだからな」


ちょっとーっ!
私のキラキラした王子様像を壊さないでよね。


エロ男め。
全てのオトコが自分と同じだと思ったら大間違いなんだから。